3.「融資返済表」の登録

@「融資返済表」の登録について

銀行等から受けている融資を登録する場合、または融資の条件が変更される場合などは、 この「融資返済表」を操作します。
「融資返済表」では融資の基本項目を入力することにより、返済明細を自動作成します。 (手入力をすることもできます。)
「融資返済表」で返済内容を登録、変更した場合は、「取引明細表への反映」を実行すると 「取引明細表」に反映させることができます。

「融資返済表」と関連している他の表は以下の通りです。
◆「取引明細表への反映」で、融資の返済明細が予測の試算明細として「取引明細表」に反映されます。 (「確」(確定)明細は変更されません。)
◆「貸借科目表」の[期初残高自動計算]で「借入金残高」をチェックした時、
 「融資返済表」から自動集計します。

A融資返済表の運用

融資返済表の具体的な運用方法について説明します。
その前に説明の都合上「融資返済表のメニュー画面」と「融資の返済明細について」を 記載します。

<融資返済表のメニュー画面>

「融資返済表」で右クリックすると下図のメニュー画面が表示されます。



「新規融資の追加」・・・新規の融資の情報を登録します。
「選択融資の修正」・・・融資の情報を修正します。
「選択融資の削除」・・・融資の情報を削除します。
「選択融資の返済」・・・融資の一括返済をする場合の処理をします。
「返済明細種別変更」・・・融資の返済明細(確定、試算)の種別を変更します。
「取引明細表への反映」・・・融資の返済明細を「取引明細表」に反映します。
「融資残高一覧表」・・・現在または指定日の融資残高の一覧表を作成します。

「融資返済表」は、システムの中でこの表のみ並び順が横になります。1つの融資に6列使います。
上段に融資の基本情報が、下段に融資の返済明細が最終返済日まであります。

メニューのそれぞれの画面の操作方法は、次の「B融資返済表の基本操作」の項をご覧ください。

<融資の返済明細について(重要!)>

融資の返済明細には、金利の関係で、銀行との約定金額が決まっている場合と決まっていない場合が あります。
前者は、固定額返済前の調整的な利息の支払や金利固定期間が設定されている返済などです。
この期間を「調整(確定)期間」、この返済明細を「確定明細」と呼びます。
後者は、金利が未確定で金額も決まってませんが、システムでは予測の金利で試算し 自動的に返済明細を作成する機能があります。
この期間を「試算期間」、この返済明細を「試算明細」と呼びます。
この試算は、何度でも行うことができます。
(試算期間は2段階、それぞれに予測金利を設定することができます。)

この返済明細は、表では確定明細は黒文字、試算明細は青文字で記載されます。
なお、確定明細は「融資内容の修正」メニューの[調整(確定)期間の返済額変更]ボタン で、内容を修正することができます。

<[具体例@]銀行から新規の融資を受けた時>

「新規追加」のメニューを選択して融資の基本的な項目を入力します。その上で…

<@.調整期間(調整的な利息の支払いや金利固定期間)がある場合>

1)調整的な利息の支払いなどがある場合は[調整(確定)期間の返済額登録]
  ボタンでこの返済明細を手入力します。
  ない場合はこの操作は不要です。
2)金利固定期間の返済明細は、まずは手入力ではなく試算機能を使って
  自動作成します。
  金利固定期間の金利を「試算1金利%」に入力します。
  (とりあえず「試算2金利%」は入力不要です。)
  「調整期間以降の返済額の試算をする」にチェックがあることを確認
  (なければチェックします。)し、[追加]ボタンで試算明細を
  作成します。(融資の表が作成され、画面は閉じられます。)

  試算明細が銀行の返済明細と一致せず何回か試行する場合は、
  作成された融資の表にマウスをあて「融資内容修正」のメニューを
  選択し、その画面で「計算方法の区分」や「休日の処理」などを見直し、
  [修正]ボタンで試算します。これは何回でもできます。
  ※元金均等の場合は、日単位で計算しますので、「融資日」
   (計算上は利息の発生日)なども試算に影響します。
   元利均等方式は月単位の計算なので影響しません。
  ※必要なら銀行に計算方式をお問い合わせください。
  上記で試算結果が銀行の返済明細と一致したら3)をご覧ください。
  一致しない場合は、<B.金利固定期間が試算と一致しない場合>を
  ご覧ください。
3)2)で金利固定期間の返済明細が銀行明細と一致したら、これで終了です。
  これを以下のように「確定明細」にしておくと、その後の金利変更の
  試算などでも確定部分は変わりませんので安全です。
  「確定明細」にするには、メニューから「融資明細の種別変更」を選択し、
  金利固定期間の最終日以前の返済明細を「確定明細」に変更します。
4)金利固定期間より先の「試算明細」の予測金利を変更する場合は、
  メニューから「融資内容修正」を選択します。
  ここであらためて「試算1金利%」や必要に応じて「試算2金利%」に
  予測の金利を入力し、試算します。

<A.調整期間がない場合>

この場合は、「試算1金利%」や必要に応じて「試算2金利%」に予測の金利を入力し 試算をするだけで、返済明細を作成できます。

<B.金利固定期間が試算と一致しない場合>

この場合は、金利固定期間の返済明細を従来通り手入力することになります。
1)「融資内容修正」のメニューを選択し、表示される画面で操作します。
2)[調整(確定)期間の返済額登録]ボタンの画面で、返済額を
  「手入力」します。
  ※金利固定期間以外に調整的な利息をはじめに登録した場合は、画面上段の
   「既存の調整期間の返済明細があります…」で「その後に追加する」を
   チェックします。既存のものがない場合はここは操作不要です。
3)入力後元の画面に戻り、「試算1金利%」や必要に応じて
  「試算2金利%」を入力し、[修正]ボタンをクリックします。
  上記入力したものが確定明細として作成されます。

<[具体例A]融資の変更がある時>

<@.新たな金利固定期間を追加する場合>

変動金利で半年ごとに金利を見直すような場合も同様です。
1)「融資内容修正」のメニューを選択し、表示される画面で操作します。
2)新規の融資の場合と同様に、まずは手入力ではなく試算機能を使って
  自動作成します。
  金利固定期間の金利を「試算1金利%」に入力します。
  (とりあえず試算2はそのままで結構です。)
  [修正]ボタンで試算をします。
3)試算結果と銀行の返済明細が一致したら次をご覧ください。
  一致しない場合は前項の<B.金利固定期間が試算と一致しない場合>の
  操作を行います。
4)作成した試算明細を「確定明細」にします。
  メニューから「融資明細の種別変更」を選択し、金利固定期間の
  最終日以前の返済明細を「確定明細」に変更します。
5)金利固定期間より先の「試算明細」の予測金利を変更する場合は、
  メニューから「融資内容修正」を選択します。
  ここであらためて「試算1金利%」や必要に応じて「試算2金利%」に
  予測の金利を入力し、試算します。

固定期間の追加が複数回ある場合は、毎回この方法で操作します。

   <A.融資額をまとめて返済する場合>

全額返済の場合も部分返済の場合も、「融資の返済」メニューを選択し、表示される画面で 操作します。

<[具体例B]終了した融資を削除する時>

「融資削除」のメニューで操作します。
ただし、「貸借科目表」などで期初の残高を算出する場合がありますので、 当期の確定申告が終了するまでは、削除しないでください。

B融資返済表の基本操作

<融資返済表の操作画面>
[選択融資の変更/新規融資の追加の操作]

メニュー画面で「選択融資の修正」を選択すると下図の操作画面が表示されます。
「新規融資の追加」も同画面です。(追加の場合[調整(確定)期間の返済額変更]ボタンはありません。)



画面上段は融資の基本的な情報を登録します。

中段は融資額とともに融資日、初回返済日、最終返済日、月の返済日などの日付を入力します。
月の返済日では、末日の場合は「31」と入力してください。
返済種別は、元利均等か元金均等のどちらかを選択します。
元金均等の場合は、毎月の固定の元金返済額を入力します。(自動計算したものを初期表示します。)
休日の処理は、「取引明細表」に反映された返済明細が休日(土日または祝日)の場合の処理を指定します。
「何もしない」場合は、休日でもそのままです。
「次の営業日」の場合は、休日の場合、次の営業日に日付がずれます。
「前の営業日」の場合は、休日の場合、前の営業日に日付がずれます。
また「三が日を休日とする」「大晦日を休日とする」をチェックして有効にすることができます。

下段は返済額を自動計算する場合の項目を入力します。
「調整期間以降の返済額の試算をする」にチェックがあると、以下項目に基づき返済明細を自動計算し 作成します。
返済明細の試算は試算金利を変えて2つの期間で行なうことができます。
[試算2変更日]と[試算2金利%]を入力しないと全期間試算1の金利で、入力すると2つの期間を2つの金利で 試算します。
さらに[計算方法]で、利息の後払い/前払い、円未満の丸めを設定できます。
私の経験では、多くの銀行は「11」(利息後払い、切り捨て)で、一部「21」(利息前払い、切り捨て) がありました。

元利均等方式は月単位で計算していますが、元金均等方式では日単位で計算しています。
従って元金均等方式の場合、融資日(計算上は利息が発生する日)、初回返済日、試算2変更日、 休日の処理など、日付はよりシビアに入力する必要があります。

「融資の返済科目」欄には、取引明細表でこの融資の返済(元金、利息)に使う科目を設定します。
融資ごとに設定ができます。

下の[調整(確定)期間の返済額登録]は、返済明細を手入力するためのものです。
毎月の返済以外の調整的な返済明細や、金利固定期間の返済で、上記試算では 銀行の返済明細と一致しない場合の返済明細の登録の時にお使いください。
ここで登録する返済明細は「確定」明細となります。
[調整(確定)期間の返済額変更]は、確定明細の変更を行います。
なお、この2つの処理は、同時にはできません。
これらの詳細な説明は後述します。

[調整(確定)期間の返済額登録]
[調整(確定)期間の返済額登録]ボタンをクリックすると下図の画面が表示されます。



上段の「既存の調整期間の返済明細があります。…」では、その既存の返済明細に追加するか、 それは破棄して新規に追加するかを選択します。
既存の確定の返済明細がない場合はここは入力の必要がありません。
またこの項目は、操作メニューで「新規追加」を選択した時は表示されません。

調整期間の返済回数では回数を入力します。
すると調整最終日を自動計算して初期表示します。変更もできます。
次の「毎回の固定額の有無」では次のように入力します。
一般的に返済種別が「元利均等」の場合は、返済額が固定額となります。
この場合は[○返済額]をチェックし1行目を使います。
「元金均等」の場合は、返済額のうち元金が固定額となります。
この場合は[○元金]をチェックし2行目を使います。
固定額がない場合は「○なし」をチェックしてください。

次に固定額の範囲を指定します。
これは利息等の調整で初回や2回目の返済額は固定額ではない場合があるからです。
もし返済回数が12回で、2回目まで固定額ではない場合は、ここは「3」から「12」と入力し、 その間の固定額(元利金等の場合は返済額、元金均等の場合は元金)を入力してください。
その上で[入力開始]ボタンをクリックします。

画面は後半に移ります。
はじめに固定額以外の期間の返済明細を入力します。 上記の例では、2回目迄の2行です。
元利均等の場合は返済額と利息を、元金均等の場合は元金と利息を入力します。
もし固定額以外の期間がない場合は、次の固定期間の入力となります。

固定期間以外の入力が終了したら、下段の[固定入力開始]をクリックします。
こうすると固定期間の入力が始まります。ここでは利息のみ入力します。
上記の例では、3から12回目までの利息の額を入力します。
(他の項目は自動表示されます。)
以上の入力が終了したら[追加終了]ボタンをクリックします。元の画面に戻ります。
(この時点ではまだ入力内容は表に反映されません。元の画面の[修正]または[追加]ボタン クリック後に、反映されます。)

なお、上記で日付は自動表示されます。修正も可能です。
月に1回返済する前提で、休日の処理も反映します。
調整最終日を入力した場合でも、それに関わらず上記の前提で自動表示されます。
日付が合わない場合は変更してください。

[調整(確定)期間の返済額変更]
[調整(確定)期間の返済額変更]ボタンをクリックすると下図の画面が表示されます。



現在設定されている調整期間の確定明細が表示されます。
修正する場合は該当の行をクリックすると、上段のテキストボックスにそのデータが表示され ここで修正し、[修正]ボタンをクリックします。
追加の場合は、その位置をクリックし、テキストボックスでデータを修正、入力し [追加]ボタンをクリックします。
指定行の後に追加も可能です。
削除の場合は、該当の行をクリックし[削除]ボタンをクリックします。
また全明細を削除する場合は[全削除]ボタンをクリックします。
修正が終了したら下段の[変更終了]ボタンをクリックします。元の画面に戻ります。
(この時点ではまだ入力内容は表に反映されません。元の画面の[修正]ボタン クリック後に、反映されます。)

[選択融資の返済の操作]

メニュー画面で「選択融資の返済」を選択すると下図の操作画面が表示されます。
このメニューは融資をまとめて返済する場合に使います。
全額返済、部分返済とも可能です。



返済日を入力し、[返済日の残高表示]ボタンをクリックすると、返済額の欄に 返済日時点の融資残高が初期値として表示されます。
全額返済の場合は、このまま[実行]ボタンをクリックします。

部分返済の場合は、返済額の欄の数値を、返済する金額に修正します。
さらに「融資残高が残る場合の処理」で、返済後の残高の返済方法を選択します。
以上で[実行]ボタンをクリックします。

実行後、残高がある場合は、返済明細を自動作成します。
なお一括返済する場合の返済明細の種別は「返」となります。
また「確定」明細の途中で部分返済を追加すると、その明細以降がすべて「試算」明細となります。

[融資明細の種別変更の操作]

メニュー画面で「融資明細の種別変更」を選択すると下図の操作画面が表示されます。
このメニューは返済明細の確定/試算の種別を変更する時に使います。



「試算明細を確定明細に変更」するか、「確定明細を試算明細に変更」するか、を選択します。
次に日付を入力します。

[実行]ボタンクリックで、入力した日付以前の返済明細の種別を変更します。
なお「確定明細を試算明細に変更」を選択した場合、確定明細の最後の行の日付が初期表示されます。
この場合、それ以前の日付の入力はできません。
(確定明細は試算明細より前にある必要があるからです。)

※返済明細がすべて試算明細の場合、「確定明細を試算明細に変更」は選択できません。
※「試算明細を確定明細に変更」を選択した場合、入力日付より後に確定明細がある場合、 それは試算明細となります。

[取引明細表への反映]

メニュー画面で「取引明細表への反映」を選択すると下図の操作画面が表示されます。
このメニューは融資の新規登録や修正があった場合に、その返済明細を「取引明細表」に 反映するために実行します。



「取引明細表更新オプション」で「収支予測表と融資返済表を反映する」と 「資金予測表を作成する」があらかじめチェックされています。
取引明細表のマークを解除する場合は「□マークの網掛を解除する」をチェックします。

実行すると、「収支予測表」と「融資返済表」のデータが「取引明細表」の予測明細として 反映されます。
また「取引明細表」では、銀行の現預金口座の残高が再集計され、「確定」明細の最終行が 最終確定日の色の網掛け(「今日」という意味です。)となります。
そして、「資金予測表」も同時に作成され、終了すると同表に移動します。

◆反映開始日について
「□収支予測表と融資返済表を反映する」をチェックすると、反映開始日が入力できます。
初期値として、「取引明細表」の最終確定日の次の日がセットされます。
「取引明細表」において次の場合はこの反映開始日を変更してください。
たとえば、今日は6月10日で、6月15日にA物件の収入予定があり、その金額が確定したので、 「予定」明細として登録したとします。
A物件の毎月15日の収入予測は「収支予測表」にも登録されているとします。
この場合、上記の状態で取引明細表の更新を行うと、6月15日のA物件の収入は、「収支予測表」からの 「試算」明細と、上記「予定」明細の両方の収入があることになります。
これを防ぐには、上記の場合、反映開始日を6月16日とします。

◆資金予測表の作成について
「資金予測表」は3つまで作成し比較することができます。
「□資金予測表を作成する」をチェックすると、[予測表][予測表2][予測表3]のどれに 作成するかを選択できます。
またコメントを入力できます。

[融資残高一覧表]

メニュー画面で「融資残高一覧表」を選択すると下図の操作画面が表示されます。



「基準年月」は、今日の日付が初期値です。変更も可能です。
[表示]ボタンで基準年月の末日時点の融資残高を一覧表で作成し表示します。

[P]ボタンで、より詳細な内容を印刷できます。
印刷では上図の項目と、さらに「融資日」「月間返済額」「融資終了日」も記載します。