繰延資産の記帳

■制度上の話
□繰延資産は、その効用が年度をまたいで経費化することが認められている資産のことを言います。
前述の「開業費」などもこの一種です。
減価償却対象の固定資産と同じく、各年度で償却することになります。
□繰延資産の取得は、初年度の経費とせず、年度ごとに任意に償却できます。

■会計職人の処理
会計職人ではこれらの科目は、あらかじめ用意していません。
ただし法人版の「貸借科目表」には科目が用意されています。
しかし会計職人では、必要であればご自分で科目等を追加できますので、次の方法で処理できます。
法人版の事例として記載します。

◇繰延資産の処理用科目の設定
・「貸借科目表」には「310繰延資産」の科目が用意されています。
 必要に応じて違う名称の科目を追加しても結構です。
・「損益科目表」には、経費計上用に例えば「425繰延資産償却費」のような科目を追加します。
 収支欄は「支出」です。
・「科目表」では以下の科目を用意します。
 1)資産取得時の科目として「251繰延資産購入」の科目を追加します。
  登録時貸借科目表欄は「310繰延資産」を選択します。
  収支欄は「支出」です。
 2)各年度に経費化する科目として「451繰延資産償却」の科目を追加します。
  登録時損益科目表欄は「425繰延資産償却費」を選択します。
  収支欄は「支出」です。

◇繰延資産の記帳方法
次のように記帳します。
・資産購入時
科目欄は「251繰延資産購入」、金額欄は購入金額、現預金欄は支払口座
・年度ごとの経費計上時
科目欄は「451繰延資産償却」、金額欄は該当年度の償却額、現預金欄は貸借科目の「310繰延資産」
※もちろん年度ごとの経費額の合計額が購入金額と一致する必要があります。

★個人版の場合は次のようにします。
・「貸借科目表」では19-22行の空白行のどれかに、例えば「20繰延資産」を追加します。
・「損益科目表」には、空白行に例えば「16繰延資産償却費」を追加します。
   収支欄は「支出」です。
・「科目表」では以下の科目を用意します。
 1)資産取得時の科目として「251繰延資産購入」の科目を追加します。
  登録時貸借科目表欄は「20繰延資産」を選択します。
 2)各年度に経費化する科目として「451繰延資産償却」の科目を追加します。
  登録時損益科目表欄は「16繰延資産償却費」を選択します。

 記帳方法は法人版と同様です。